乾式遮音壁は、RC壁より遮音性能が優れているか。また、乾式遮音壁にも、耐震スリットが必要か。
「住宅の品質確保の促進に関する法律」の遮音性能の項目で、最も優れた遮音性能である「等級4」の遮音壁は、RC壁では壁厚260mm・乾式遮音壁「A-2000・W1」では約半分の136mm・壁重量は約1/10の約60Kg/mmで実現できます。詳細は吉野石膏(株)に相談下さい。また、石膏ボードの乾式遮音壁は、非耐力壁なので耐震スリットを入れる必要はありません。阪神淡路大震災などでも、同壁により柱が損傷したという報告はありません。
防音床の例を教えて 下さい。
椅子の引きずり等の軽量衝撃音、踵歩行等の重量衝撃音の両方に対するデータを確認する必要があります。これらについては、「音響技術No.159(特集;音響材料の使い方と技術資料集)」に、我が国有数メーカーの製品について、特長・仕様・データなどが掲載されております(URLも記載)。該当床材メーカーのHPにアクセスして下さい。
制振遮音板などをコンクリートの床スラブに直接敷いた場合、遮音や床衝撃音に対する効果は?
制振遮音板などの制振材は、ボードと貼りあわせると、空気音に対する遮音性能の向上が望めます。また、床下地と貼りあわせたり、下階が二重天井の場合に使用すると、床衝撃音に対する遮断性能の向上が望めます。その他、ダクトなどの音鳴りを抑える効果もあります。しかし、コンクリートスラブに直接敷いても、床衝撃音に対する遮断性能に影響はありません。詳しくは、東邦亜鉛(株)のホームページをご覧下さい。
木造の戸建住宅ですが、建具の隙間から音が漏れてきます。また、冬は隙間風が気になっています。遮音性能を上げたいのですが、どのような方法がありますか?
防音(遮音)気密材を取り付けるのがよいといえますが、種類が多く、建具の仕様、および現状の音漏れに対応した製品を選ぶ必要があります。詳細については、「音響技術No.159(特集;音響材料の使い方と技術資料集)」、及びピンチブロック(株)のホームページをご覧下さい。
道路際に、木造住宅を計画しています。車の振動を軽減させる材料はあるのでしょうか。
合成ゴム製の基礎土台パッキン「キソゴム®」があります。「音響技術No.164、会員の頁(振動対策部材「キソゴム®」)」、および、ゼオン化成(株)のホームページをご覧下さい。
ピアノや楽器を部屋で自由に演奏したい。
ピアノや楽器などの演奏音は、通常80~100dB程度の音量が発生します。マンションなどの集合住宅の住戸間の遮音性は、40dB程度であるので、対策をしない部屋で演奏すると40~60dB程度の音の大きさで隣室へ漏れてしまいます。したがって、自由に演奏したい場合は、防音室などを設置する必要があります。日本板硝子環境アメニティ(株)のホームページ、日本音響エンジニアリング(株)のホームページが参考になります。また、「音響技術No.141(特集;プライベート空間の音響設計」なども参考になります。
オーディオ・シアタールームでよい音を聞きたいのですが、本格的な室を設計する場合、何に注意すればよいですか?
本格的に音・映像を楽しむためには、防音対策、室内音響設計、電気音響設備の選定が必要となります。目的にもよりますが、内装を浮き構造、室形を不整形とし、機器類の配管等にも留意しなければならない場合もあります。また、新築・改修、木造・RC造によっても、設計方針が異なるでしょう。詳しくは、「音響技術No.106(特集;ホームシアターの音響(これでホームシアターは君のもの)」、「音響技術No.141(特集;プライベート空間の音響設計」、及び日本板硝子環境アメニティ(株)のホームページ、日本音響エンジニアリング(株)のホームページにアクセスすると有用な情報が得られます。
音響調整材とはどのようなものですか。
壁などに取付けて、室内の音場をv改善させるユニットです。音響調整材には、吸音効果を高めるものと、音の散乱効果を高めるものがあります。(柱状拡散体)手軽に使用できるので、音を楽しむ空間によく使われています。詳細については、「音響技術No.159(特集;音響材料の使い方と技術資料集)」、及び「●防音材・音響工事」の該当会員各社のホームページにアクセスすると詳しい情報が得られます。
会議室の設計をしていますが、どのようなことに気を付けなければいけませんか。
会議室といっても、数人用から、本格的な電気音響施設を有し、100人単位規模のものいまであります。いずれにしても、内装材に適切な吸音処理を行うことが不可欠となります。「音響技術No.136(特集;音環境Q&A100選」、「音響技術No.150(特集;音響設計の基礎」などが役に立つでしょう。
反響と残響の区別がつきません。
「上階からの足音が反響してうるさい」とか、「残響で騒音がうるさい」などといわれることがありますが、用語の使い方としては、両者とも間違っているといえます。「反響」は「やまびこ」、「こだま」であり、最初の音が聞こえた後、また遅れて聞こえることをいいます。「残響」は「音の響き方」であり、音がすぐには減衰しない場合を残響が長いといいます。室内音響設計では、基本的な問題として、「反響」が起きないように(特に広い室)、「残響時間」が適度な長さになるように(スタジオなども含む)検討します。
工場の屋外設置の機械の防音壁を検討しています。耐候性の製品を教えて下さい。
防音壁(障壁)は、吸音材としては耐水性吸音材を、遮音材としてはなるべく薄い材料を採用したものでなければなりません。また、適切な表面保護材を使用し、吸音性能を低下させないような仕様とすることが大切です。もちろん施工性に優れ、組立が容易なものである必要があります。詳細については、日本板硝子環境アメニティ(株)のホームページへアクセスして下さい。
マンションの畳敷床をフローリング床にリフォームしたいのですが、どのような構造にしたらよいですか?
スラブ面から仕上げ面までの総厚は変えられませんので、緩衝層を含む断面構成には種々の技術を盛り込むことが必要とされます。 すなわち、床衝撃音対策と共に、適度の弾力性を有し歩行感のよさが重要になります。 詳細については、大建工業(株)のホームページをご覧下さい。
防振材の種類が多いので使い方がわかりません。
防振材は、防振ゴム、金属ばね、空気ばね、多孔質材、エラストマーなどに分類され、それぞれの特長を把握した使い方をします。詳しくは、「音響技術NO.109(特集;音響材料)」、「音響技術NO.150(特集;音響設計の基礎」)」、「音響技術NO.159(特集;音響材料の使い方と技術資料集)」をご覧ください。なお、防振ゴム製品では、主に住宅などの一般用では大建工業(株)のホームページをご覧下さい。
吸音材料には、どのような種類がありますか。また、それぞれの特長を教えて下さい。
吸音材料は、多孔質吸音材料、多孔質成型吸音板、孔あき板吸音構造、板状吸音構造、膜状吸音構造、その他に分類されます。それぞれ、主として吸音する周波数領域が異なります。この当協会ホームページの「●防音材・音響工事」の該当会員各社のホームページにアクセスするか、「音響技術No.159(特集;音響材料の使い方と技術資料集)」に、我が国有数のメーカーの製品が掲載されており、各メーカーのホームページ(URL記載)にアクセスすると、詳しい情報が得られます。
壁用・天井用仕上げ材として、内装用多孔質吸音材を探しています。
多孔質吸音材で、表面仕上げ材を必要とせず、そのまま内装材として施工できる製品があります。詳細については、旭ファイバーグラス(株)のホームページ、マグ・イゾベール(株)のホームページ、アコス工業(株)のホームページをご覧下さい。